= JA滋賀蒲生町 食育シリーズ =
■2009/3/11 - デジタル時代の食育

食育・料理研究家:坂本廣子さん JA広報通信2009.2月号より

子どもたちに本の読み聞かせをしている人たちから、最近はお伽話の人気がないと聞きます。読み聞かせても、子どもたちが理解できないと言うのです。
例えば「舌切り雀」のお話で「雀がのりをなめて」と話したとき、ひょっとしたら子どもの頭の中ではスティックのりが思い浮かんでいるのかもしれません。ご飯粒がのりとして使われていたことを知らなければ当たり前のことなのでしょう。
また、すり鉢を使った体験のない子にとっては「ゴマすり」という言葉がピンとこないようです。
これも「一休さん」というアニメが放送されていたときは、まだ話が通じました。エンドロールの中ですり鉢を使っているシーンがあったからです。しかし「一休さん」の放送がなくなって久しい今では、家庭での体験がなければ、理解するのが難しくなっています。
こうした現代の子どもたちが、教育ファームなどで農業体験をすることは、衝撃的な体験になるようです。

 子どもたちは農業を通して「人間は自然のひとつ」であることを知ります。パソコンのキーボードをたたけば何でもできるわけではなく、自分の思い通りにはなかなかいかない壁を感じることで地に足が着き、じっくりと考える基本が
生まれるのです。

 インターネット上の動画を見て、体験した気になるのではなく、デジタル時代だからこそ、みんなが地に足を着けて自然に学ぶことが大切です。体験不足から生まれる知識不足を少しでもなくしてあげることが、大人の役割だと感じます。

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■2009/2/6 - 食育指導者に望むこと
みんなで実践!食育のはなし

食育指導者に望むこと

最近の子どもたちは、指示待ちで困る、という嘆きをよく聞きます。
私の料理教室でも、初めて参加する子は、どうしても指示待ちになってしまいます。
でも、日常生活において指示待ちの多い子が、突然、料理教室で積極的になるわけありませんよね。どうやら子どもたちは、大人に言われる通りにしていないと叱られる、または、自分からは何もしないで、出された指示に従えばいいのだと思っているようです。
先日も若い食育指導者から、自分の知識を子どもに伝えるとき、どうしたらいいのかと聞かれました。
まず、指導する前に、大まかでも方向性と到達すべきゴールを決めておきます。そして実際に教えるときは、ゴールへの道筋を示すだけでいいと思います。
あまり細かく指示を出し過ぎたり、こちらが決めた方針から外れると許さないといった指導法では、受け手の子どもは委縮してしまいます。
山へ行くのに海に行こうとしたり、崖から落ちそうになったりしたら、ようやく止めるくらいの気持ちでいましょう。いわば指導者は羊飼いのごとしです。
教え込んで、自分の思い通りに進ませることが「食育」ではありません。子どもに気づく時間を与えて、自分の頭を使って進むように、頑張ってもらうのです。
細かく指示した挙句、「どうして言った通りにしないの!」と怒っては、本当の学びや気づきはありません。子どもの横に立って、ずっと指示している方が、指導者としての達成感は味わえると思いますが、実は、傍らで静かに見守り支えてあげることが大切なのです。
この見守る指導法が、子どもを導くことができると信じています。



食育・料理研究家 坂本 廣子さん JA広報通信2009.1月号より
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■2008/5/26 - みんなで実践 食育のはなし
食育の視点がキーポイント
食育・料理研究家:坂本廣子さん JA広報通信2008.5月より

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私自身も、えぇ! とびっくりしたのが、家庭科の教科書の献立でした。
タマネギ、ジャガイモ、ニンジンと野菜が食べられない子どもがいたとしても、何かを作らなくてはいけません。
皆さんなら何を思い浮かべますか? 肉じゃが?カレー? そうですね、私もそう思っていました。
ところがそれらの献立は、学校の家庭科室では作れないのです。日本の典型的なご飯、魚の煮付けも駄目なのです。
理由は簡単です
「家庭科室では、卵以外の動物性タンパク質を生で使ってはいけない」
の一文があるからです。もちろん尾頭付きの生魚も駄目です。
「ひき肉だったら直接手で触らないので使えるのでは」と聞きましたが、やはり駄目なのです。
野菜嫌いの子どもに、校庭でできた完熟のトマトをぱくっと食べさせたい、と思ったことがありました。しかしそれもかないませんでした。
「1分間、75度、煮沸してからでないと食べさせてはいけません」
と言われたからです。
今の学校の先生が「本物を伝えたい」と頑張るのは、なかなか難しいようです。
そこで、家庭科でのおすすめ献立を考えてみると、ポテトサラダがいいかもしれません。
加熱した肉であるハムやソーセージ、ゆで卵を加えて出来上がります。
それにしても、私たちの日常生活における料理法と、学校での授業にこれほどギャップがあるとは思いませんでした。
何でもかんでも消毒して食べないといけない、と学校で教えられているような印象を受けます。
私たちがいつも食べている和食 ----煮魚に和え物、ご飯に味噌汁といった献立を教えられない、伝えられないのは、とてももったいない事だと思います。
食育の視点から見直してみると「食の体験を妨げない」の一項が、これらの矛盾を解決する為にも、今こそ必要になってきたのではないでしょうか。

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